つねぴーblog@内科専攻医

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心不全におけるTRPG値の解釈

心不全におけるTRPG値の解釈

 

TRPG(transtricuspid pressure gradient)=三尖弁圧較差のこと。TRPGはドップラーエコーで三尖弁逆流の血流速度を求めることによって、簡易ベルヌーイの式により算出可能である。

すなわち、

TRPG=4×(TRVmax)の二乗=推定右房・右室圧較差

TRPGは右房と右室の圧較差であるので、

右室収縮期圧=

右房圧+右房・右室圧較差

≒下大静脈径からの推定右房圧+TRPG

が成り立つ。

 

*下大静脈径からの推定右房圧とは、下大静脈の大きさと呼吸性変動の有無を見ることによって↓表のように右房圧が推定される。

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表の推定右房圧は平均をとって、3mmHg、8mmHg、8mmHg、15mmHgとしても良い。

 

◯TRPGとIVC径から右室収縮期圧がわかったら

心エコーによる右室収縮期圧によって肺高血圧症の有無を推定できる。

≦36mmHg ・・・肺高血圧症なし

37〜50mmHg・・・境界領域

≧50mmHg・・・肺高血圧あり 

 

それ以外の肺高血圧を示唆する所見:肺高血圧の進行とともに、右室の拡大、右室収縮能の低下、心室中隔の圧排像も認めるようになる。

 

【左心系心不全により肺高血圧が出現する機序】

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↑肺高血圧ガイドラインより

 

左心不全HFpEFでもHFrEFでも左室充満圧が上昇してその結果、左房圧も上昇する。左房圧が上昇すると肺静脈から肺毛細血管系を介して肺動脈系に伝搬されて肺動脈圧(PAP)が上昇する。この段階での肺高血圧は可逆性で利尿剤などの治療により左房圧が下がれば肺動脈圧も低下する。が、この状態が長く持続してしまうと肺動脈の反応性収縮が起こり、肺高血圧が進行してしまう。肺動脈のリモデリングから解剖学的変化が生じると肺高血圧は更に進行して不可逆的となる。

 

また追記します。