つねぴーblog@内科専門医

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尿細管性アシドーシスで低カリウムになる機序

尿細管性アシドーシスで低カリウムになる機序

 

尿細管性アシドーシスは障害部位によって近位型(2型)と遠位型(1型)の二つに分けられる。近位型では重炭酸イオンの再吸収障害で、遠位型ではプロトンイオンの排泄障害により体内が酸性に傾きアシドーシスとなってしまう。

 

一般的に高カリウム血症ではアシドーシスが原則である。というのも、カリウムが細胞外で多ければ細胞内に取り込まれ、その分、細胞からプロトンが出てきてアシドーシスになるからである。逆にアルカローシスでは基本的に低カリウムになる。


では何故尿細管アシドーシスでは例外的にアシドーシスで低カリウム血症になってしまうのだろうか。メカニズムは以下のように説明される。

近位尿細管でも遠位尿細管の障害でも重炭酸イオンが再吸収されないと、どんどんと重炭酸イオン濃度は尿中で高まる。これはマイナスイオンが尿中に増えるということであり、間質からプラスのイオンであるNa+やK+が分泌されて中和しようとする。ナトリウムイオンは重要なので再吸収する仕組みがあり低ナトリウム血症とはならないが、カリウムイオンは細胞外に多くあっても困るのでNaのように再吸収する仕組みが発達していなく、そのまま尿中に漏れ出てしまうのである。故に尿細管アシドーシスでは低カリウムとなってしまうのである。