Graham steel雑音とは
グラハムスティール雑音とは拡張期雑音のうちの一つ。
拡張期には大動脈弁と肺動脈弁は閉じて心室内への逆流を防いでいるが、弁の締まりが悪いと血液が逆流して雑音を生じる。具体的な疾患としては大動脈弁閉鎖不全症と肺動脈閉鎖不全症がある。
大動脈弁閉鎖不全症では、拡張期の大動脈と左室の圧の差が非常に大きいので笛がなるような高い雑音がする(=吹鳴様or灌水様雑音と呼ぶ)。これは部屋の窓をギリギリまでしめてわずかな隙間を開けておくとヒューヒュー音がするのと同じである。この雑音は次第に弱くなっていくので漸減性である。
一方、肺動脈弁閉鎖不全症では僧帽弁狭窄症などにより肺高血圧をきたし、肺動脈弁が拡張することによって逆流をきたす。この逆流性雑音は発見者の医学者グラハムスティールにちなんでグラハムスティール雑音と呼ばれている。この雑音も拡張期の最初に大きく次第に小さくなっていく。