大動脈弁閉鎖不全で灌水様雑音が聞こえる理由
心臓の拡張期には大動脈弁と肺動脈弁は閉じて心室内への逆流を防いでいるが、弁の締まりが悪いと血液が逆流して雑音を生じる。具体的な疾患としては大動脈弁閉鎖不全症と肺動脈閉鎖不全症がある。
拡張期の大動脈と左室の圧の差は非常に大きいので、大動脈弁が閉じていないと勢いよく逆流して笛がなるような高調な雑音として聴取される(=吹鳴様or灌水様雑音)。これは部屋の窓をギリギリまでしめてわずかな隙間を開けておくとヒューヒュー音がするのと同じ理屈とも言える。なお、大動脈弁閉鎖が上手く行かなくなる原因としては感染性心内膜炎やリウマチ熱によるダメージ、そして動脈硬化の進行による弁破壊などがある。
《灌水の様子↓》
画像引用元:http://amanaimages.com/info/infoRM.aspx?SearchKey=26069000255&GroupCD=0&no=
灌水とは草木に水を注ぐことであるが、”灌水様雑音”と言われてもあまりピンとこないかもしれない。農家の人はわかる?