ペースメーカー植え込みの適応
ペースメーカー適応メモ
房室ブロック、洞不全症候群、徐脈性心房細動におけるペースメーカー適応について(By JCS2011ガイドライン)
病態によってペースメーカーの適応は違います。
◯房室ブロックにおけるペースメーカー適応
ClassⅠ:
1.徐脈による明らかな臨床症状を有する第2度,高度または第3度房室ブロック
2.高度または第3度房室ブロックで以下のいずれかを伴う場合
(1)投与不可欠な薬剤によるもの
(2)改善の予測が不可能な術後房室ブロック
(3)房室接合部のカテーテルアブレーション後
(4)進行性の神経筋疾患に伴う房室ブロック
(5)覚醒時に著明な徐脈や長時間の心室停止を示すもの(*参考値:心室拍数<40/分,心室停止>3秒)
ClassⅡa:
1.症状のない持続性の第3度房室ブロック
2.症状のない第2度または高度房室ブロックで、以下のいずれかを伴う場合
(1)ブロック部位がHis束内またはHis束下のもの
(2)徐脈による進行性の心拡大を伴うもの
(3)運動または硫酸アトロピン負荷で伝導が不変もしくは悪化するもの
3.徐脈によると思われる症状があり,他に原因のない第1度房室ブロックで,ブロック部位がHis束内 またはHis束下のもの
ClassⅡb:
1.至適房室間隔設定により血行動態の改善が期待できる心不全を伴う第1度房室ブロック
◯洞機能不全症候群におけるペースメーカー適応
ClassⅠ:
1.失神、痙攣、眼前暗黒感、めまい、息切れ、易疲労感等の症状あるいは心不全があり,それが洞結節機能低下に基づく徐脈,洞房ブロック,洞停止あるいは運動時の心拍応答不全によることが確認された場合、それが長期間の必要不可欠な薬剤投与による場合を含む
ClassⅡa:
1.上記の症状があり,徐脈や心室停止を認めるが,両者の関連が明確でない場合
2.徐脈頻脈症候群で,頻脈に対して必要不可欠な薬剤により徐脈を来たす場合
ClassⅡb:
1.症状のない洞房ブロックや洞停止
◯徐脈性心房細動におけるペースメーカー適応
ClassⅠ:
1.失神,痙攣,眼前暗黒感,めまい,息切れ,易疲労感等の症状あるいは心不全があり,それが徐脈や心室停止によるものであることが確認された場合.それが長期間の必要不可欠な薬剤投与による場合を含む
(徐脈や心室停止の参考値:覚醒時心室拍数<40/分,もしくは心室停止>3秒。2008年のACC/AHA/HRSガイドラインでは5秒以上の心室停止を認める場合はクラス Ⅰ適応とされている)
ClassⅡa:
1.上記の症状があり,徐脈や心室停止を認めるが, 両者の関連が明確でない場合