心電図PQ時間延長・短縮の原因
心電図PQ時間延長・短縮の原因
心電図においてP波とは心房の興奮、QRS波は心室の興奮を意味しているので、P波からQ波までの時間というのは心房の洞房結節で始まった電気刺激が房室結節、ヒス束、プルキンエ繊維を介して心室に到達するまでの時間を意味している。
イラスト引用リンク*1
PQ時間が短縮する疾患:WPW症候群
WPW症候群では心房と心室の間にkent束という副伝導路が出来る疾患。本来ならば洞房結節で始まった興奮は房室結節、ヒス束などの刺激伝導系を介して心室に到達するが、kent束があるとショートカット的により早く心室に刺激が伝わる。
PQ時間は心房から心室に興奮が伝わるまでの時間を意味しているのでkent束のあるWPW症候群では心電図上でPQ間隔が短くなる。基準としてはPQ時間<3mm(0.12秒)
PQ時間の短縮に加え、デルタ波の出現、wideQRSも心電図上の特徴である。
イラスト引用元*2
PQ時間が延長する疾患:房室ブロック
PQ時間は心房から心室までの興奮の時間を意味しているものであったが、これがPQ時間>0.21秒以上に延長したものを一度房室ブロックという(βブロッカーなどの薬剤性のことが多い)。