各種NOACの使い分けmemo
◯ワーファリンとNOACの違い
NOACは半減期が短く効果発現までの時間も短い
出血リスクはNOACの方が少ない
薬剤干渉がないのでワーファリンよりも服用しやすい
PTの測定(モニタリング)が必要ない
ワーファリンは納豆など食事制限あるがNOACにはない
◯4種類のNOACの特徴を簡単にご説明
・ダビガトラン(プラザキサ®→):経口抗トロンビン薬
プラザキサの由来→“precision”と“prevention”の 2 つの言葉「確かな予防」
適応:非弁膜症性心房細動
NOACの中では脳塞栓予防効果がもっとも大きい
消化管出血合併頻度が高い
1日2回
Ccr<50の腎機能低下では禁忌(腎排泄率は80%)
カプセルが大きいので70歳以上の高齢者には処方しにくい
・リバーロキサバン(イグザレルト®):経口抗Xa薬
イグザレルトの名前の由来(→第 Xa 因子(作用部位))
適応:非弁膜症性心房細動
ダビガトラン同様に出血性合併症頻度が高い!
1日1回
・エドキサバン(リクシアナ®):経口抗Xa薬
リクシアナの名前の由来→Reliable(信頼できる)と 作用ポイントである凝固因子Xaの造語
適応:非弁膜症性心房細動、静脈血栓塞栓症の治療・再発抑制、下肢整形外科術後のDVT発症予防
1日1回
リバーロキサバンと同様に1日一回だが出血合併症は少ない。
・アピキサバン(エリキュース®):経口抗Xa薬
エリキュースの名前の由来→"Elegant”(上品な)と”Liquid”(液体)の合成語
適応:非弁膜症性心房細動
ダビガトランに次いで塞栓症の予防効果あり。
消化管出血のリスクは低い
腎排泄は27%とNOACの中では最も低いので腎機能低下がある場合は安心して使える
1日2回
【まとめ】
・CHADS2高値などで塞栓症リスク高ければ最も効果のあるダビガトラン(70歳以下)
・が、ダビガトランはカプセルも大きく胸焼けも起こすので高齢者なら次に効果のあるアピキサバン
・出血合併症リスクが高ければダビガトラン(腎機能良ければ)
・出血合併症リスク高くて腎機能も悪ければアピキサバン
・コンプライアンス悪くて1日2回飲めない人ならリバーロキサバン(イグザレルト®)かエドキサバン(リクシアナ®)