つねぴーblog@内科専門医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

移転しました。

臨床で出会った薬剤まとめ(商品名の由来)

日々追記していきます。(完全自分用)

 

あいうえお順

 

アクトス

(チアゾリジン薬)【糖尿病治療薬】

名前の由来:インスリン感受性(Insulin Sensitivity)に作用(Act On)する→Act On Insulin Sensitivityの赤文字部分をつなげてACTOSと名付けられた。

機序:インスリン抵抗性改善薬。 核内受容体であるPPARγに結合し、脂肪細胞の分化に関わる遺伝子調節を行ったり、筋肉、肝臓におけるインスリン感受性を高める。

副作用:浮腫、心不全

 

アズノール軟膏

名前の由来:アズレンスルホン酸ナトリウム 、スペイン語でアズレン=青色。

効果:抗炎症作用、創傷保護作用、抗アレルギー作用。効果は穏やか、副作用少ない。

適応:小児や高齢者のおむつかぶれ、軽い熱傷、小さなびらんなど。

口唇や陰部にも用いられるので軽度の皮膚トラブルに有用。

 

 

アプルウェイ

(SGLT2阻害薬)【糖尿病治療薬】

名前の由来:アプルウェイ(Apleway) はApple(りんご)とway(道、方法)の造語。りんごの樹脂から抽出されたフロリジンという物質に由来し、尿糖を増やす働きがある。りんごの新たな使い道的な。

機序:近位尿細管のSGLT2を阻害しブドウ糖の再吸収を抑制して尿から糖を出させる。

副作用:脱水、尿路感染、低血糖

 

アマリール

(スルホニルウレア薬)【糖尿病治療薬】

名前の由来: 特にない模様(”甘離ーる”とでも覚える)

作用機序:膵臓β細胞のKチャネルに直接働き、インスリン分泌を促進する。

副作用:低血糖

 

イグザレルト

(リバーロキサバン)(第Ⅹa因子阻害剤)【NOAC】

名前の由来:イグザレルトは凝固カスケードの第Xa因子を選択的に直接阻害する。Ⅹa因子をモジッて”Xareltoと命名された。

作用機序:第Xa因子に作用することで血栓の形成に関与するトロンビン合成を抑え、抗血栓・抗凝固作用を示す。

適応:1,非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制
2,深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症の治療及び再発抑制

 

 

エクア (DPP4阻害薬)【糖尿病治療薬】

名前の由来:インスリンとグルカゴン分泌をバランスよく保つ、等しい・平等を意味するEqual,Equalityが語源。

作用機序:DPP4はGIPやGLIP-1というインスリン分泌を助けてくれるインクレチンを不活性化してしまう。DPP4阻害薬はインクレチン濃度を高め、インスリン分泌を改善させることが出来る。

 

エリキュース(アピキサバン)【第Ⅹa因子阻害薬】【NOAC】

名前の由来:"Elegant”(優雅な)と”Liquid”(液体)の合成語。優雅な液体→血をさらさらに的な意味合い

作用機序:第Xa因子に作用することで血栓の形成に関与するトロンビン合成を抑え、抗血栓・抗凝固作用を示す。

適応:非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制

 

オーグメンチン

(一般名クラブラン酸・アモキシシリン2:1の合剤)【経口】

名前の由来:アモキシシリンの効果を増強(Augment)したことによる。

アモキシシリンにβラクタマーゼ阻害薬を合わせたもの。非常に広域なスペクトラムを有するため、市中感染症でかなり高頻度に使われる。

【救急外来での使用例】

1,帰宅可能な動物咬傷、ヒト咬傷

2、帰宅可能な市中肺炎

3,帰宅可能な腹腔内感染症(憩室炎など)

4、帰宅可能な糖尿病足感染症

処方例:250mg錠。1日2錠。

注意点:腸内細菌叢に対する殺菌作用から下痢を高頻度で起こす。

添付文書:http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/6139100F1048_1_06/

 

 

 

カロナール(一般名アセトアミノフェン)【経口】

乳児にも使える安全な解熱・鎮痛剤

名前の由来:痛みが取れてかるくなーる

肝障害を起こしうるので肝不全患者には禁忌。

1回200-600mg、1日3-4回、1日最大4000mg

添付文書:カロナール錠200/カロナール錠300/カロナール錠500

 

グラクティブ(シタグリプチンリン酸塩水和物)【DPP4阻害薬】

名前の由来:GLIP-1 の活性(activity)を保持する

作用機序:DPP4はGIPやGLIP-1というインスリン分泌を助けてくれるインクレチンを不活性化してしまう。DPP4阻害薬はインクレチン濃度を高め、インスリン分泌を改善させることが出来る。

 

クラビット

 

グルコバイ(アカルボース)【αグルコシダーゼ阻害薬】

名前の由来:αグルコシダーゼ阻害薬+バイエル(開発元)=グルコバイ(グルコースばいばいの略だと思ってました…)

作用機序:腸管において二糖類がグルコースへ加水分解されるのを阻害する。よってグルコースの取り込み低下→血糖上昇を防ぐ。

副作用:腹部膨満(二糖類を腸内細菌が食べてガス産生)

 

 

グルファスト(グリニド薬)【速効型インスリン分泌促進薬】

名前の由来:食後のグルコース(グル:GLU)の上昇を速やかな(ファスト:FAST)インスリン分泌作用により改善する=GLUCOSE FAST

機序:膵臓β細胞のSU受容体に結合し、カリウムチャネルを閉鎖してインスリン分泌を促進する。SU薬と作用機序は同じであるが効果は弱い。

食後高血糖に良い適応。

副作用:低血糖

 

ゲンタシン軟膏®(ゲンタマイシン)(アミノグリコシド系抗生物質)

名前の由来:なし

機序:殺菌性の抗生物質でリボソーム30Sに結合し、タンパク合成を阻害する。

対象:グラム陰性桿菌

適応:腎盂腎炎、敗血症など

注意:経口投与は無効。小腸→門脈→肝臓で無効化される

副作用:聴覚障害

 

 

サワシリン

(一般名アモキシシリン)【アミノペニシリン経口抗菌薬】

名前の由来:藤薬品工業(現アステラス)+アモキシシリン

(ERでの適応)

・帰宅させることの出来る市中肺炎で肺炎球菌の治療

溶連菌感染症(咽頭炎)(必ず10日間処方)

処方例:1回500mg内服、1日3回、8時間おき。

注意:伝染性単核球症の患者に投与すると全身皮疹起こす。

添付文書:http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/6131001C1210_1_12/

 

ジェニナック®(ガレノキサシン)

GARENOXACIN 【レスピラトリーキノロン】

適応:合併症のある細菌性市中肺炎の外来治療に適応。

レスピラトリーキノロンとは呼吸器組織(上気道も含む)への移行が良好で,ほとんどすべての呼吸器感染症起炎菌に対する抗菌力を有するもの。特にペニシリン耐性菌(PRSP)を含む肺炎球菌への抗菌活性が強化されたニューキノロン系抗菌薬”

レジオネラ、マイコプラズマ、クラミジアにも感受性有り。

特に PRSPに適応。

 

 

ジャヌビア

(一般名:シタグリプチンリン酸塩水和物)【DPP4阻害薬】

名前の由来:「JANUS(ヤヌス、二つの顔を持つ神)」+「via(経由)」。(インスリン分泌促進+グルカゴン分泌抑制の2つの働きという意味か)

作用機序:DPP4はGIPやGLIP-1というインスリン分泌を助けてくれるインクレチンを不活性化してしまう。DPP4阻害薬はインクレチン濃度を高め、インスリン分泌を改善させることが出来る。

 

シュアポスト

(一般名:レパグリニド)【グリニド薬、速効型インスリン分泌薬】

名前の由来:確実(sure)に食後(postprandial)の血糖を低下させる。

機序:膵臓β細胞のSU受容体に結合し、カリウムチャネルを閉鎖してインスリン分泌を促進する。SU薬と作用機序は同じであるが効果は弱い。

食後高血糖に良い適応。

副作用:低血糖

 

スーグラ

(一般名:イプラグリフロジン)【SGLT2阻害薬】

名前の由来:SGLT2のローマ字部分S・G・L・Tをとって、スーグラ(Suglat)

機序:近位尿細管のSGLT2を阻害しブドウ糖の再吸収を抑制して尿から糖を出させる。

副作用:脱水、尿路感染、低血糖

 

ゾシン®

(一般名:タゾバクタム+ピペラシリン=タゾピペとも)

特徴:ゾシンはペニシリン系抗菌薬のピペラシリンとβラクタマーゼ阻害薬のタゾバクタムの配合剤。8:1の割合。

ピペラシリンはアンピシリンよりも抗菌スペクトルが広がっており、特に緑膿菌に効果があるという点が重要。

 

 

テネリア

(一般名:テネリグリプチン)【DPP4阻害薬】

名前の由来:テネーレ:保つ(イタリア語)+ リアゾン:つなぐ(フランス語)

作用機序:DPP4はGIPやGLIP-1というインスリン分泌を助けてくれるインクレチンを不活性化してしまう。DPP4阻害薬はインクレチン濃度を高め、インスリン分泌を改善させることが出来る。

 

フォシーガ

(一般名:ダパグリフロジン)【SGLT2阻害薬】

名前の由来:For( 患者さん、患者さん家族、医師)、x(かける) Inhibit (阻害) Glucose (糖) Absorption(吸収) = Forxiga フォシーガ 。

機序:近位尿細管のSGLT2を阻害しブドウ糖の再吸収を抑制して尿から糖を出させる。

副作用:脱水、尿路感染、低血糖

 

 

ブスコパン

(一般名:ブチルスコポラミン)【錠剤、注射】

名前の由来:チルスコポラミ

抗コリン作用があり、胃腸など内臓のけいれん性の痛みを取る。

ERでの適応:胃腸炎、胆管炎、胆石症などなど

禁忌:緑内障、前立腺肥大症

処方例:10mg1回1〜2錠、1日3〜5回内服(症状や年齢で適宜増減)

添付文書:http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/1242002F1330_1_03/

 

プラザキサ

(一般名:ダビガトラン)【NOAC:non vitaminK oral anti coagulate】

名前の由来:Prazaxa(先頭の”Pr”は「precision:確かな」と「prevention:予防」の2つの言葉、「確かな予防」を意味している)

作用機序:直接トロンビン阻害薬。トロンビン(フィブリノーゲンをフィブリンにする酵素)を抑制することで抗血栓、抗凝固作用を示す。非弁膜症性心房細動では特に左心房においてフィブリン血栓が形成され、これが塞栓子となり全身へ飛んでいってしまう。「非弁膜症性心房細動患者における脳卒中及び全身性塞栓症のリスク低減」を適応としている。

 

 

プリンペラン

(一般名:メトクロプラミド)【錠剤、注射】 

薬理:末梢(胃腸)のD2受容体を阻害し、相対的にアセチルコリン優位→消化管の運動改善。また、脳のD2受容体にも作用し、嘔吐中枢へのシグナルをブロック。

適応:嘔気、嘔吐、食欲不振、腹部膨満感

処方例:5mg1回1~2錠、1日2~3回食前内服

添付文書:プリンペラン錠5

 

ボルタレン®

(一般名:ジクロフェナク)【NSAIDS】

由来:特に無し

効果:鎮痛作用(ロキソニンと同じであるが、より強力。市販されていない)

座薬があるので胃潰瘍などの副作用を気にせずに使えるのもポイント

 

 

メトグルコ

(メトホルミン)【ビグアナイド薬】

名前の由来:一般名(メトホルミン)です。海外での商品名(グルコファージ)

作用機序:インスリン抵抗性の改善、肝臓での糖新生の抑制、腸管からの糖吸収の抑制

副作用:乳酸アシドーシス

 

 

ユナシン®

(一般名アンピシリン:スルバクタム2:1配合)【静脈注射】

 名前の由来:特にない模様

オーグメンチン(経口)の点滴verがユナシン。

ユナシンはアミノペニシリンの一種であり、位置づけとしては以下のとおり

【アミノペニシリン】

・アンピシリン(ビクシリン®)

アンピシリン・スルバクタム(ユナシン®)

・アモキシシリン(サワシリン®)

・アモキシシリン・クラブラン酸(配合比2:1=オーグメンチン®、配合比14:1=クラバモックス®)

 

リンデロンVG軟膏

名前の由来:副腎皮質からでるグルココルチコイドに似た作用をする薬であるが、ドイツ語で副腎皮質はNebennierenrindeであり、語尾調節にRONを加えてリンデロンとなった。

ポイント:抗生物質(ゲンタシン)を配合しているのが特徴。リンデロンVやリンデロンDPは抗生物質は配合されていない。

適応:皮膚の炎症全般に効く。ただし真菌感染などにはもちろん効かないので注意。

 

 

 

 

また追記します