つねぴーblog@内科専門医

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移転しました。

期外収縮の病的意義

心房期外収縮、心室期外収縮の病的意義

 

心室期外収縮と心室期外収縮の違いに関しては過去記事参照↓

 

tsunepi.hatenablog.com

 

◯心房期外収縮をみつけたら

心房性期外収縮の原因としては弁膜症、COPDなど心房に負荷のかかる疾患などが考えられる。原因検索としては心エコーが必要。その他にも甲状腺機能亢進症などが背景にある場合もあるので採血でT3,T4,TSHの測定も有用。頻回に心房期外収縮が起きていれば心房細動がないか調べる必要があり、心電図モニター(ホルター心電図)で確認する。

が、健常人にも見られ、ストレス、過労、睡眠不足、カフェイン、飲酒など様々な要因によって生じるので病的意義に乏しいことも少なくない。

 

基礎疾患があれば治療をするが、健常人であれば基本無治療で良い。心房性期外収縮の存在自体は予後に影響しない。抗不整脈薬を用いて止めることも可能であるが、逆にいつ止めるのかという問題も出現する。どうしても症状が気になるのであればむしろ精神安定剤などで様子を診るというケースの方が多い。因みに期外収縮の回数と自覚症状の強さは必ずしも相関しないと言われていて、精神面への負担が症状の強さに現れる。

 

◯心室性期外収縮を見つけたら

 

ポイントは心拍数が増えることに寄って心室期外収縮も増えるかどうか。頻脈になって心室期外収縮も相関して多発し始めたら病的意義のある期外収縮の可能性がある。器質的疾患として弁膜症、心筋症、虚血性心疾患などは調べる必要がある。(→心エコー)

一方で心拍数の増加でも心室期外収縮が増えなければ健常人でも見られる病的意義の乏しい期外収縮と言える。2段脈や3段脈のように期外収縮が多発していると心配になるが、それ自体は病的意義や器質的疾患を疑うものではないとされている。

よって、救急外来的なフォローとしては後日循環器内科で心エコーとモニター心電図の施行する。トレッドミルなどで負荷のかけた状態で心室期外収縮が増えるかどうかを見る。もし、脈拍上昇時に期外収縮が増えればACSが背景に疑われるし、期外収縮が減れば生理的なものと考えられる。