主訴:血尿の鑑別メモ
肉眼的血尿で想起するもの
尿路感染症(膀胱炎、前立腺炎、腎盂腎炎など)
→排尿時痛や発熱の有無の確認
→CVA叩打痛や前立腺の圧痛の有無。
→尿検査、血液検査、培養
尿管結石、腎結石
→突然の側腹部痛、背部痛
→腹部CTで結石の有無を確認
→ブスコパンやボルタレン坐薬で対応
泌尿器系の腫瘍(膀胱がん、腎腫瘍)
→体重減少、喫煙歴、シクロホスファミド使用歴、職業歴(化学物質暴露)
→泌尿器科紹介(尿細胞診、膀胱鏡など)。一過性の血尿であっても泌尿器系悪性腫瘍のリスクあれば精査必要。
感染後糸球体腎炎
→小児で多いが時に成人でもみられる
→溶連菌感染症後10日後、丹毒の3週間後などに発症(血尿、高血圧、むくみ)
→尿検査(尿沈渣、蛋白尿の有無)、血液検査(腎機能、ASLO、補体低下)
→腎臓内科でフォロー(予後は良好な事が多い)
腎梗塞
→突然発症の側腹部痛、血尿
→心房細動の既往、嘔気、
→心電図、採血、造影CT
→抗凝固療法
多発性のう胞腎
→家族歴(常染色体優性遺伝)、腰痛、腹痛の有無
→腹部エコー、腹部CT
抗凝固療法
ワーファリンなど抗凝固療法中の患者で見られる。
→血液検査(PT-INR測定)、が基本的には除外診断。
尿道バルーン挿入後
・慢性尿閉に対して一気に導尿をすると膀胱が弛緩して出血をきたすことも。
・尿道の物理的な刺激による血尿も。