IVCとその呼吸性変動のミカタ
・IVC(inferior vena cava)とは下大静脈径のことであり、ここの静脈径を測定することで右房圧(中心静脈圧)を推定することが出来る。右房圧は体内水分量を反映しているので、身体の中に水が多いか、少ないかの測定に有用。
・IVCを心エコーでみるには、患者に仰臥位になってもらい、心窩部にプローブを当てる。右房に連続する長軸像を描出するようにする。下図参照
・IVCの評価:
IVCは19mm以上であれば右房圧の上昇を示唆する。また、呼吸性変動が重要であり、通常であればIVCは呼気時に拡張し、吸気時に虚脱する。
呼吸性変動の定義は”吸気時の径が呼気時の径の50%以下”である。
・IVCが18mm以下 +呼吸性変動あり→右房圧0-5mmHg
・IVCが18mm以上 +呼吸性変動あり→右房圧5-10mmHg
・IVCが18mm以上 +呼吸性変動なし(50%以下)→右房圧10-15mmHg
・IVCが18mm以上 +呼吸性変動なし(固定)→右房圧15-20mmHg
(右房圧の基準値は5−10mmHg)
参考:Sunil echo in haemodynamics
が、IVC径は個人によって差があり、健常若年者でもIVCの呼吸性変動が見られないこともある。エコーによるIVCは重要なヒントを与えてくれるが、診断には総合的な判断が必要である。
IVCの一例
http://www.okinawa.med.or.jp/old201402/activities/kaiho/kaiho_data/2012/201202/103.html
IVCの例その2
https://blogs.yahoo.co.jp/soundcatch_y/35358656.html