尿ケトン陰性でもDKAは否定できないという話
尿ケトン陰性でもDKA(糖尿病ケトアシドーシス)は否定できないという話
糖尿病患者が脱水、著しい口渇、腹部症状などを呈している場合、糖尿病ケトアシドーシスなどが疑われる。糖尿病性ケトアシドーシスではインスリン欠乏状態になるために脂肪酸がエネルギー源として用いられ、脂肪酸分解がすすみ、ケトン体が産生される。よって尿検査でケトン体陽性を認めれば糖尿病性ケトアシドーシスらしいと考えることが出来る。
が、尿検査でケトン体が陰性だからと言ってDKAは否定的と除外してはならない。
ケトン体には,アセト酢酸とβ-ヒドロキシ酪酸,アセトンの3種類があり,その75%をβ-ヒドロキシ酪酸が占める。
DKAで産生されるケトン体はβ−ヒドロキシ酢酸であるが尿定性検査(ニトロプルシド法)では反応しないため、偽陰性となることが少なくない。動脈血液ガスなども併せて総合的な評価が必要。
参考文献:ER実践ハンドブック