頚椎カラーの解除基準
頸部より上の外傷の場合、頸椎損傷、脊髄損傷を念頭に置きながら対応する。救急搬送の場合は頚椎カラーで固定された状態で搬送されてくることが多い。頸椎、脊髄の保護は仰臥位で正中中間位として他動的な負荷をかけないようにするのが基本。また、体位変換をする時は4人以上でlog roll法を用いて行う。
頸椎固定はいつ解除できるか
◯正確な所見が取れる時
・自覚症状、他覚症状、神経学的症状のうち1つでも異常があれば画像検査(頸椎X線3方向もしくは頸椎CT。あまり積極的に疑っていないのであればX線で良いか)
所見に有無にかかわらず頸椎固定した状態で専門医にコンサル
・自覚症状、他覚症状、神経学的症状のうち1つも異常がなく、受傷機転でもあまり頚椎損傷を疑わずに頸椎の運動時痛もなければ頚椎カラー除去!頸椎運動時痛あればカラー固定継続。
◯正確な所見が取れない場合(意識障害、アル中、激痛、高齢者など)
・異常があるものとして頸椎X線3方向もしくは頸椎CTで評価。所見に有無にかかわらず頸椎固定継続。24−48時間後に再評価。48時間経過しても正確な所見が取れない場合は専門医コンサルして解除を判断してもらう。
【頚椎カラー解除の方法】
・患者にゆっくりと頸部を左右45度動かしてもらう。痛みがあれば中止し頸椎カラー固定
・次に可能であれば座位で頸部の前後屈をしてもらう。これで痛みの訴えなければ解除として良い。
【頸椎固定の解除基準のわかりやすい図)
画像参照:PPT - 頸椎固定解除基準 PowerPoint Presentation - ID:729025
参考文献:外傷初期診療ガイドライン