副甲状腺機能低下症で脳内石灰化を起こす機序
副甲状腺機能低下症で脳内石灰化を起こす機序
副甲状腺機能低下症とは自己免疫異常などにより副甲状腺からのPTH分泌が低下し、低カルシウム、高リンをきたす病態をいう。
血中Ca濃度が低下するのに大脳基底核や大脳白質内に異所石灰化像を認める。石灰化は高カルシウム血症の時に出現しそうであるが、なぜであろうか。
カルシウムというのは組織と血中で平衡状態にあるが
組織・・・血中(平衡のイメージ)
PTHが分泌されれば平衡は右の方に移動して血中カルシウムが上昇するが、しかしPTHがでなければ左の方向に平衡は向かう。これはつまり組織の方にカルシウムが貯まりやすくなっているということであり脳などの組織に異所性石灰化をおこしてしまうのである。
ちなみに脳内の石灰化はこのほかパーキンソン病などでも認められる。また40歳以降では生理的な石灰化が起こり得る。