つねぴーblog@内科専門医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

移転しました。

TgAbとTPOAb測定の意義

甲状腺機能低下症を見つけたらTgAbとTPOAbの測定を

 

・橋本病においてはTgAb(抗サイログロブリン抗体)、TPOAb(抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体)が陽性となる。どちらかが陽性であれば橋本病の組織病変があると考えて良い。橋本病の組織病変の有無と抗体陽性の有無は相関する。

・ただし、TgAbやTPOAbは甲状腺機能低下していない健常人でも15%程度は陽性になる。甲状腺機能低下があれば橋本病だが、甲状腺機能に異常がなければ治療の必要はない。また逆に橋本病でも5%の患者は抗体陰性となる。その場合は甲状腺エコーで甲状腺内部の炎症像が診られれば橋本病と診断して良い。

・甲状腺機能低下症があるのにこれらの抗体が陰性であれば橋本病以外の原因が考えられる。甲状腺エコーを実施して嚢胞が多発していればpolycystic thyroid diseaseを疑う。