つねぴーblog@内科専門医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

移転しました。

(文献)利尿剤投与で血漿レニン活性、アルドステロン濃度が上昇する

(一言で)心不全患者に利尿剤を投与すると、心不全徴候は改善するが、血中のレニン活性やアルドステロン濃度は上昇している。このことは長期的に見ると心臓にとっては良いことではない。しかしACE阻害薬を使えばRASSの亢進を抑えられるので有用かもしれない。

 

 

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

大変古い文献ですがメモ書き

・未治療の心不全患者にフロセミド40mgとアミロライド5mgを処方して1ヶ月後、体重が平均3−5kg減って運動能力も2倍にアップした。一方で血漿レニン活性とアルドステロン濃度は上昇した。

・利尿剤による循環血漿量の減少により左室充満圧の減少が起こる。利尿剤にって左室充満圧が低下して心拍出量も低下することによって血漿レニン、アルドステロンの上昇が起こると思われる。

・ドライウェイトを達成して心拍出量が低下してから数日に渡ってレニン、アンギオテンシン、アルドステロンが上昇し続けるとの報告もこれまでにあった。

・ACE阻害薬のメリットは利尿剤によるレニン、アルドステロン濃度上昇を抑制してくれるところにある。

・もしACE阻害薬を利尿剤と一緒にすれば利尿剤によって亢進するRAAS系を抑制することができるのかもしれない。心不全の長期管理においては重要なことである。

・レニンアンギオテンシン・アルドステロン系の刺激は血管の収縮および体液貯留、そして機能不全の心臓・循環系にとっては有害である。

 

代表的なfigure

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