つねぴーblog@内科専門医

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喘息疑いに胸部レントゲン/CTは必要なのか

典型的な喘息発作であれば、発作性の呼吸困難があり、呼気時のwheeze更には早朝の咳を繰り返すという現病歴があり疑うことは容易であるが、だからといって気管支喘息と診断してしまうのは危険。GINAの診断クライテリアでも気管支喘息の診断に大事なこととして「他疾患の否定」が記載されている。

 

よって、いくら喘息発作が疑わしい患者であっても胸部レントゲンで他の疾患の評価は重要である(例えば、肺炎、肺がん、気管支拡張症、間質性肺炎、心不全、気胸など)。また、気管支喘息増悪の原因としての肺炎の評価という意味でも大事。

 

また、胸部CTを撮影されることもあるが、喘息なのかそれともCOPDなのかあるいはCOPDを合併したACOSなのかの判定したい状況で有用である(胸部レントゲンのみではCOPD特有の所見:肺野透過性の更新や肺過膨張などはわからないことも多い)。気管支喘息であれば吸入ステロイド薬を含んだメニューで治療開始し、気管支拡張薬単剤にならないようにするし、COPDであれば気管支拡張薬を中心に治療を開始し、吸入ステロイド単剤にならないように治療することになる。