輸液で一日にどれだけのNa(mEq)を入れるべきか
入院患者の維持輸液を決定する際に考えるポイントは4つ
1,水分量 2,ナトリウム 3,カリウム 4、栄養である。
一般的に必要なNa量は最低1mEq/Kg/day、高血圧患者では2mEq/kg/dayを超えないようにする。体重50kgの人であれば一日70mEq〜100mEq程度である。
Na量が多ければ多いほど、輸液製剤の浸透圧は高くなり、血管内に残る。よって、低血圧時など、血管内ボリュームを増やしたいときは生理食塩水や酢酸リンゲル液などNa量の多い輸液を選択する。現状を維持したい状況であればソルデム3号など維持輸液を、高血圧や重症心不全などこれ以上Na負荷を行いたくない状況であれば5%ブドウ糖液などを考慮する。
また、注意点なのは、抗生剤などを投与するときに生理食塩水で薄めて投与されるとそこにも十分量のNa負荷がかかることがあるのでその量も加味してメインの点滴を決定する。
塩分換算で Na100mEq= 塩分6gである。
Na 50 mEq =NaCl 3g 最低限の維持量
Na 100 mEq =NaCl 6g 高血圧患者の一日量
Na 150 mEq =NaCl 9g 一般の病院食中の塩分
Na 200 mEq =NaCl 12g 健常人の日常食中の塩分
覚えるべきことは一日に必要なNaは70〜100mEq。(100mEqで塩分6g)健常人では塩分1日12g程度取っていたりするのでそこまで厳密にすることはないが、心不全患者などであれば出来るだけ少なく、低血圧患者には多く入れるということを理解する。