心不全急性増悪の原因と頻度
救急に来る心不全増悪疑いの患者で考えること。
とある論文によると心不全の急性増悪原因として多い順番からして次のように報告されている。
・コンプライアンス不良(食事、薬、活動制限)(47%)
・全身性感染症(20%)
・不整脈(11%)
・身体的、精神的ストレス(5%)
・心筋虚血(5%)
・血圧のコントロール不良(4%)
・それ以外(7%) :甲状腺機能亢進症、妊娠、貧血、弁膜疾患、肺血栓塞栓症など)
以上のことから、心不全増悪を疑ったらルーチンでやるべきことは…
・ちゃんと薬を飲めていたか、食事量はどうだったかの問診。(大幅に増えていれば塩分摂取増加で血圧上昇)
・活動度に変化はなかったか、大きな精神ストレスはなかったか。
・心電図でST変化や異常Q波など心筋虚血を疑う所見がないか、あるいは不整脈の新規出現がないか。
・血液検査でWBCやCRPの上昇など感染徴候はないか、貧血がないか、心筋マーカーの上昇ないか、BNPなど心不全の指標がどれだけ上昇しているか。
参考文献)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcj/64/12/64_12_953/_pdf/-char/en