起座呼吸と発作性夜間呼吸困難の違い
◯起座呼吸と発作性夜間呼吸困難の違い
起座呼吸は仰臥位になると呼吸困難が出現し、座ると改善することをいう。メカニズムとしては、仰臥位では静脈還流量が増えるため、心不全が増悪して呼吸困難になると考えられている。
起座呼吸は横になるとすぐに苦しくなるのに対して、発作性夜間呼吸困難は横になって2,3時間経過してから苦しくて目覚める発作。2つの原因が考えられており、1つ目の機序としては下腿浮腫のある人が横になると足の組織に溜まっている水が徐々に血管に戻るのに時間がかかり、寝てから2,3時間立って静脈還流量が増加して息苦しくなる。2つ目の機序としては心不全が進行すると無呼吸が増えることがあって無呼吸で低酸素血症になることによって交感神経が亢進して目覚めると説明される。
心不全の重症度の順に言うと
労作時呼吸困難→発作性夜間呼吸困難→起座呼吸
心不全で起座呼吸の患者がいればすぐに重症と考えることが出来るが、そうでない場合は労作時の呼吸苦や発作時夜間呼吸困難がないか問診することが重要である。
参考文献)
・ジェネラリストのための内科診断リファレンス
・心不全クルズス(臨床クルズスシリーズ3)