膝外傷でいつレントゲンが必要になるか(オタワ膝ルール)
膝外傷でいつレントゲンの適応になるか(オタワ膝ルール)
膝外傷患者においては骨折よりも靭帯の損傷や半月板損傷が多く、骨折を見つけるためにレントゲンをとっても意味のないことが多い。オタワでは医療費の観点から無駄なレントゲン撮影をやめようと膝外傷でレントゲンの適応基準を作成している。
【Ottawa Knee rule,1995年】感度100%
・55歳以上
・腓骨骨頭に圧痛
・膝蓋骨のみの圧痛(他の部位には圧痛がない)
・膝を90度屈曲できない
・受傷時および診察時4歩以上の加重歩行不可
(ここでの膝とは脛骨近位8cm〜大腿骨遠位8cm)
これらに1項目でも該当すればレントゲン必要、1つも当てはまらなければレントゲンは不要。”レントゲン不要”というのは骨折が絶対にないというわけではなく、臨床的に問題になるような骨折がないという意味である。5mm未満の剥離骨折などは見逃してしまうので、そのことを患者によく説明しておく(他院で指摘されると信用問題になる)
◯オタワ膝ルールの除外項目として、18歳未満、意識障害、神経症状、同日再診、妊婦。これらがある場合はレントゲン撮影する。
◯また、オタワ膝ルールは医療費削減にうるさい海外の話であり、日本の救急外来においてはレントゲン撮影のハードルはもっと低くなる。