つねぴーblog@内科専門医

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移転しました。

脊椎圧迫骨折への対応

高齢者の腰痛、脊椎圧迫骨折疑いへの対応@救急外来

 

【圧迫骨折のイメージ】

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【問診】

受傷機転:外傷歴がないか問診。50歳以上では外傷歴がなくても圧迫骨折は起こる

いつから痛むか:腰背部痛出現のタイミング。いつ発症したか明確にする

増悪・寛解因子:脊椎圧迫骨折は寝たり起きたりの動作で痛みが増悪する。立位や坐位ではかえって椎体が安定化して痛みが軽快することがある。

いつ痛むか:夜間痛の有無。寝てる時の痛みが強ければ転移性脊椎腫瘍を鑑別に挙げる。

既往歴

ステロイド内服していればリスク高い。また脆弱性骨折の既往があれば再発リスクも高い。大腿骨頸部骨折の既往で約2倍、椎体骨折の既往では約4倍になる。

  

【身体所見】

脊椎の可撓性:ベッドで寝てもらい起き上がり動作で痛むかどうか

脊椎棘突起の圧痛・叩打痛:痛みがあればおおよその骨折部位の把握可能

徒手筋力テスト:下肢筋力の減弱がないか評価しておく。骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折では遅発性に神経障害が起こりうるので初診時のMMTをするのは経過フォローの意味でも重要。

疼痛で仰臥位が不能:感度81%、特異度93%(by内科診断リファレンス)

 

【検査】

◯腰椎レントゲン(立位正面、側面、前後屈撮影)

◯胸椎レントゲン(正面、側面)

◯骨盤レントゲン(正面)

 

・圧迫骨折が起こりやすいのは胸腰椎移行部(Th11、Th12、L1)

が、明らかな変形がない場合はレントゲンでわからないことも多く(約半数が検出不能との報告も)、整形外科医でも診断が難しいとのこと。特に過去に圧迫骨折の既往がある場合は新規の圧迫骨折部位の診断は難しい。前回撮影したレントゲンとの比較、場合によってはMRIもとる(新鮮な骨折ではT1low,STIRがhigh)

・圧迫骨折読影のポイント(by「見逃しやすい骨折の転機と鑑別のポイント、レジデントノート」

1,椎体前方骨皮質のくびれ

2,前方椎体高の短縮

3,骨折部骨髄質の濃度上昇

 

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圧迫骨折の症状・診断・治療 [怪我・外傷] All About

 

【鑑別】

・急性腰痛症:下肢症状なし、椎骨骨折なし

・腰椎椎間板ヘルニア;腰痛に加えて下肢痛あり

・腰部脊柱管狭窄症:間欠性跛行あり

 

【治療】

鎮痛薬(内服、場合によっては坐薬)

・原則安静臥床。仰臥位での安静臥床では背屈位が強調されて脊椎前弯が助長されるため骨折部が不安定になりやすい。よって側臥位での安静臥床を指示

・圧迫骨折の既往があり装具士の作成したコルセットがある場合は着用するように指示。尚、既製品の腰痛用のコルセットでは脊椎を支える保持力はなくあまり意味がない。

 

 

 

【フォロー】

・痛みが軽く、歩行可能であれば帰宅として後日整形外科フォロー。骨粗鬆症による圧迫骨折は早期治療が予後に大きく影響するのでそのことをよく患者に説明する。

・痛みが強く、歩行不能であれば原則入院(レントゲンで骨折が明らかにならなくても入院させて良い。MRIでしかわからない骨折もある)。

・一般的に脊椎圧迫骨折は1−2ヶ月続くことが多い。

・下肢の運動障害、感覚障害があれば破裂骨折の可能性があるので整形外科にすぐコンサル。