つねぴーblog@内科専攻医

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肋軟骨炎の原因とその診断

◯肋軟骨炎の原因とその特徴

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肋軟骨炎とは軽微な外傷や頻回な咳嗽、過度の肉体作業の後に出現する肋軟骨部の炎症である。好発は10〜30代と若年で、間欠的な刺すような痛みが突然発症し、持続する(長い時は数日)。痛みの特徴としては胸骨の左右のどちらかに限局して痛みの場所をピンポイントで刺すことが出来る。また、深呼吸時や体動時に痛みが増悪することがある。「深呼吸で痛みが出現するから胸膜炎」と言う方もいらっしゃるが吸気時で筋が動くため肋軟骨炎でも矛盾しない。

なお、肋軟骨炎は頻度は低いものの腫脹、発赤、熱感などを呈することがある。その場合は第二肋軟骨関節〜第三肋軟骨関節に生じやすい(Tietze症候群)

 

◯肋軟骨炎の診断

肋軟骨炎の診断は基本的に除外診断である。場所が胸部であるので他の怖い疾患、例えば心筋梗塞、肺塞栓症、大動脈解離などの除外は絶対に必要である。心筋梗塞などとの鑑別は、痛みの部位がピンポイントでさせて、肩などに放散痛がない、リスク因子が特に無いなどの現病歴である程度鑑別ができる。が、心電図などの検査は簡単に施行できるのでするに越したことはない。バイタルに問題なくて心電図も異常なし、胸部の圧痛があれば肋軟骨炎疑いと診断しても良いと思われる。もちろん帰宅の際は症状増悪したり、放散痛が出現することがあるようであれば再度医療機関受診をすすめる。

 

よくある誤解として、「胸部の筋肉の圧痛があるから筋骨格系疾患と考える」と考えられる方がいらっしゃるがそれは少し危ない考えである。マクギーの身体診察学によれば肺塞栓症の11−17%に前胸部の圧痛を認めるとのことらしい。圧痛があれば筋骨格系の確率は高まるが、当然のことながらバイタルや他の所見、現病歴と総合的に考える必要がある。特に基礎疾患のある方や高齢者では訴えが胸部の圧痛だけであっても心電図に加えてレントゲン、血液検査(Dダイマーやトロポニン)の施行はしても良いであろう。