不明熱が感染症由来かどうかの判断指標
【不明熱とは】
「三週間以上38.3度以上の発熱が続き、3日以上診療(3回以上の外来か3日以上の入院)しても原因がわからないもの」が不明熱と定義される。原因としては感染症、悪性腫瘍、自己免疫疾患が多い。
感染症:感染性心内膜炎、結核、前立腺炎、腹腔内膿瘍、肛門周囲膿瘍、前立腺炎、伝染性単核球症、腸チフスなど
悪性腫瘍:悪性リンパ腫、肝細胞癌、腎細胞癌など
自己免疫疾患:SLE、側頭動脈炎、血管炎、Still病、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)など
その他:薬剤性(サプリメントも)、甲状腺機能亢進、甲状腺炎、深部静脈血栓症なども
【不明熱が感染症由来かどうかの判断基準】(Eur J Intern Med.2010 Apr;21(2):137-43参考)
CRP、フェリチン、好酸球数の値で不明熱が感染症由来かどうか推測できる
・CRP>6mg/dl
・フェリチン<500ng/ml
・好酸球数<40/μl
3項目のうち何点満たすかで推測。
0点→2.3%、1点→6.1%、2点→87%、3点→90%
よって2点以上であればほぼ感染症が原因。1点以下であればそれ以外をまずは考える必要がある。