腰痛患者の危険な徴候リスト
主訴:腰痛患者の必須確認ポイント
●赤信号の腰痛疾患のゴロ『FACET』
F(Fracture)→骨折
ステロイド内服、担癌患者、骨粗鬆症ないか問診
A(Aorta)→腹部大動脈瘤、大動脈解離
高齢者、胸痛・背部痛、腹部拍動性腫瘤
C(Compression)→脊髄の圧迫(腰椎椎間板ヘルニア、馬尾症候群、腫瘍、硬膜外転移、硬膜外血腫など)
膀胱直腸障害、担癌患者、ワーファリン内服、会陰部のしびれ
E(Epidural abscess)→硬膜外膿瘍
発熱、免疫不全、6週間以上続く腰背部痛、夜間の激痛
T(Tumor)→脊髄腫瘍、癌の骨転移
50歳以上、18歳以下、体重減少、担癌患者、1ヶ月以上続く腰背部痛
●病歴と身体所見から考える鑑別
痛みの程度
痛みで眠れない、鎮痛薬が効かない、歩行で腰痛が増悪する
→重篤な疾患を示唆
年齢:18歳以下、50歳以上
18歳以下:腰椎分離症、腰椎すべり症、癌、感染など
50歳以上:癌、腹部大動脈瘤、骨折
持続期間:1ヶ月以上に渡る腰痛
→多くの腰痛は1ヶ月以内に自然軽快する。もし長期間持続するようであれば癌や強直性脊椎炎などを考える。
既往歴:免疫不全状態(悪性腫瘍、ステロイド、HIV)
→骨髄炎や硬膜外膿瘍などの可能性
発熱の有無
→感染や悪性腫瘍を示唆
肛門周囲のしびれ、失禁
→馬尾症候群
脊椎叩打痛あり
→骨折や感染
一側下肢痛>腰痛、膝より下の麻痺、しびれ
→椎間板ヘルニア
SLR(坐骨神経を牽引)で耐えられない痛い
→椎間板ヘルニア
また追記更新します。