vibrio vulnificusが肝硬変患者に多く発症する理由
vibrio vulnificus感染症が肝硬変患者に多く発症する理由
【vibrio vulnificusとは】
vibrio vulnificus(ビブリオ・バルニフィカス)とはビブリオの一種で壊死性筋膜炎を起こすことから日本では人食いバクテリアとも呼ばれる菌の一種である。
生息域は腸炎ビブリオと似ており、温かい汽水域の海水中に多く分布している。また海水温が20度を超えるような日が続くと海水のアサリの50%はvibrio vulnificusに汚染されているとのデータもある。もっとも、加熱して食べれば感染の心配はない。
【肝硬変患者に発症する理由】
vibrio vulnificusは経口、あるいは経皮的に人間に感染するが、健常人ではほとんど発症しないか軽度の下痢程度で済む。vibrio vulnificusは鉄依存性の細菌であるため、肝硬変患者やヘモクロマトーシス、あるいは鉄剤を服用している人など血中鉄濃度が高い患者において増殖しやすい(肝硬変患者ではヘプシジン低下により腸管からの鉄吸収が促進している)。