糖尿病の治療では経口血糖降下薬とインスリン療法がある。
インスリン療法の主な適応以下のとおり
・1型糖尿病
(膵臓β細胞が破壊されて絶対的なインスリン欠乏状態)
・重度の2型糖尿病
(インスリンの分泌が保たれている2型糖尿病であっても著明な高血糖、例えば空腹時血糖値250mg/dl以上、随時血糖値350mg/dl以上を認める場合など)
・重度の腎障害、肝障害を合併している時
(経口血糖降下薬の代謝が出来なくなるため)
・糖尿病合併妊娠
(経口血糖降下薬は妊婦に対する安全性が確認されていないので安全なインスリン療法を行う)
・糖尿病昏睡(糖尿病ケトアシドーシス)
(インスリンが欠乏して脂肪分解が亢進し、ケトン体が過剰に作られてケトアシドーシスとなってしまっている時。)
・SU薬の二次無効時
2型糖尿病では経口血糖降下薬を普通は用いるが、それでもコントロールできなければインスリン療法が行われる。例えばスルホニル尿素役(SU薬)は膵臓のβ細胞を刺激してインスリンを分泌させるが、長期使用により膵臓β細胞が疲弊してインスリン分泌が低下してしまう。そのような時に一時的にインスリン注射を行うことによって膵臓β細胞を回復させて、β細胞からインスリンを分泌させることを期待して行われる。