くも膜下出血のCT画像と解剖
クモ膜下出血( subarachnoid hemorrhage)のCT読影
くも膜下出血とはくも膜下腔にある脳表面の動脈が破裂することによって起こる。原因としては脳動脈瘤が最も多く、その他にも脳動静脈奇形やもやもや病、あるいは外傷によっても引き起こされる。クモ膜下出血の症状としては”突然”の”これまでに経験したことのないような痛み”が典型的である。
頭痛や髄膜刺激症状などで疑ったらすぐに頭部CTを取る。1日以上経つとCTの検出能は高くない。CTの所見としてはくも膜下腔が高吸収域として描出されるが、出血が少量であった場合や警告頭痛の際の微小な出血はCTでわからないこともある。CTで陰性であっても臨床経過的にクモ膜下出血が疑われる場合は腰椎穿刺やMRI、MRAを積極的に取る。
また、動脈瘤が原因の場合は鞍上槽の近くでウィリス輪周囲に注目すれば動脈瘤を発見できることもある。動脈瘤の多くは血管分岐部に出来る。
【くも膜下腔の解剖図】(脳の水平断面)
まずはくも膜下腔の正常解剖を把握する。
→前大脳縦裂、鞍上槽、シルビウス裂、脚間槽、迂回槽を同定して高吸収域がないか確認する。
続いて脳動脈瘤の好発部位にも目を通す:前交通動脈瘤、中大脳動脈分岐部動脈瘤、内頚動脈交通動脈分岐部動脈瘤
イラスト引用:http://xn--o1qq22cjlllou16giuj.jp/archives/13612
正常頭部CTとクモ膜下出血後のCTの比較(下スライド)
通常、くも膜下腔には水とCT値の変わらない脳脊髄液が循環していて、黒く写っている。しかし、出血が起こるとくも膜下腔に血液が侵入し、CTで白くヒトデ型に描出される。
引用元:http://citec.fc2web.com/shiryou/rinshou-j/ct090725/ct090725.htm
【頭部CTの写真その2】
画像引用元:http://www.onc.akashi.hyogo.jp/pages/sick07.html
【クモ膜下出血CT像その3】
【クモ膜下出血CT像その4】
画像引用元;Subarachnoid Hemorrhage (SAH) | UW Medicine
【クモ膜下出血のCT像その5】
画像引用元:http://www.kni.umin.jp/3/kumomakka.html
以上、典型例でした。