脊髄癆の病態生理
脊髄癆(せきずいろう)の病態生理
■まずは神経梅毒について
神経梅毒とはTreponema pallidumtoiuというスピロヘータが脳や脊髄に感染することによって発症する病気である。神経梅毒は3つのグループに分けることができる。
1:無症候型神経梅毒…症状はないものの、髄液検査で以上が発見されるもの(つまりたまたま発見されるもの)
2:髄膜血管型…髄膜炎を中心とするものもしくは血管病変を中心とするもの
3:脊髄癆or進行麻痺…脳そのものを犯すもの
■脊髄癆とは何か
梅毒の炎症によって脊髄の後根と後索が萎縮する病気であるが、進行は緩慢なのでこの症状がでるまでに10年の歳月がかかる。
症状としては…
後根の炎症→数分から数時間続く電撃痛
後索の障害→深部感覚障害=Romberg徴候陽性の運動失調
自律神経障害→膀胱直腸障害
などなど
ペニシリンの登場以降梅毒は激減して現在では珍しい病気(病みえに載っていないほど珍しい…)