つねぴーblog@内科専攻医

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急性散在性脳脊髄炎(ADEM)のメモ書き

急性散在性脳脊髄炎(ADEM)のメモ書き

 

【原因】

ウィルス感染やワクチン接種後に、自己免疫性機序が生じて血管周囲のリンパ球浸潤と中枢神経系の脱髄が起こる。原因ウィルスとしては麻疹、風疹、水痘が多い。ワクチン接種としては狂犬病、痘瘡、腸チフスなどが多い。その他にもインフルエンザ、B型肝炎、肺炎球菌ワクチン後などでもあり得る。感染後やワクチン接種後は小児に多いが、大人には特発性が多い。

【症状】

ウィルス感染などから3−7日後、あるいはワクチン接種後10−14日後に急激に発症する発熱、頭痛、嘔吐を伴って、意識障害や痙攣が出現する。

脊髄症状として、対麻痺、四肢麻痺、腱反射消失、病的反射出現、分節性の感覚障害、膀胱直腸障害などが出現する。また、両側視神経炎や脳幹または小脳の症状として小脳失調、ミオクローヌス、眼振、外眼筋麻痺、瞳孔異常などを示すことも有る。病変の分布としては、小さい脱髄病変が大脳、脳幹、小脳、脊髄へと散在性に広がる。

【血液・髄液検査】

採血ではWBC、CRP、血沈の亢進を認めることがある。

髄液検査ではリンパ球優位の細胞増多(100-250/μL)、タンパク増加(100mg/dl以下)、MBP、IgGの増加が見られる。

【画像検査】

頭部MRIで皮質下白質、脳幹、小脳白質、視神経、脊髄にT2強調画像で境界不明瞭、不均一な高信号域を認める。白質だけでなく、基底核や視床など灰白質にも対称性に変化が生じる。脳室周囲白質も頻繁に障害され、30〜60%の症例で変kが見られる。

【診断】

特異的な検査法はないため、臨床症状、経過より行う。

同じ脱髄疾患である多発性硬化症(MS)と鑑別が難しいことが有るが、ADEMでは発熱、髄膜刺激症状などが目立ち、痙攣や意識障害の頻度も多い。

また、MSではADEMのように様々な症状が同時に出現することはなく、MSは一側性に多いがADEMは両側性に症状が出ることが多いことも鑑別のポイント。

【治療】

ステロイドパルス療法。

5日の投与で改善ない場合は後療法。

シクロスフォスファミドパルス、γグロブリン大量静注、血漿浄化療法が行われることも。予後は成人であれば6−8割で後遺症なく軽快する。

 

参考)神経内科ハンドブック、神経症状の診極め方

 

また追記します。