トロサハント症候群メモ
◯概要・原因
海綿静脈洞または上眼窩裂部に非特異的炎症性肉芽腫が生じることにより動眼神経、滑車神経、外転神経、三叉神経第一枝が障害される。
◯症状
頭痛、眼痛、複視(眼球運動障害による)
◯診断基準・鑑別
国際頭痛学会によるトロサハント症候群の診断基準は次の通り
・無治療で1週間を超える片側の頭痛
・動眼神経、滑車神経、外転神経のうち1本以上の麻痺
・MRIか生検にて肉芽腫の検出
・麻痺が眼痛に随伴するか眼痛の発症後2週間以内に麻痺を認める
・ステロイド投与後72時間以内に症状が寛解する
・原因になりうるその他疾患の除外
原因になりうりそうなその他の疾患としては…
・動脈瘤、静脈洞血栓症、海綿状血管腫などの血管性などの血管障害
・サルコイドーシス・ウェゲナー肉芽腫症、肥厚性硬膜炎などの炎症疾患
★サルコイドーシスは多臓器に悲観落成肉芽腫が形成される原因不明の全身性疾患である。診断には2臓器以上の臓器の障害が必要。髄膜病変として、髄膜炎や髄膜脳炎を起こす。脳実質内の病変は少ない。
★肥厚性硬膜炎とは脳脊髄硬膜が部分的またはびまん性に肥厚し種々の症状を呈する疾患である。特発性と続発性がある。続発性としてはANCA関連血管炎、Wengener肉芽腫症が多い。
・細菌、結核菌、ウィルス、梅毒などの感染性疾患腫瘍など
◯検査
髄液検査:正常のことが多いが、単核球優位の細胞数の増多・タンパクの増加
頭部MRI:肉芽腫の検出
その他採血や画像検査で他疾患の除外
◯治療
ステロイド(PSL1mg/kg/dayの経口投与を行い、数ヶ月かけて減量していく。)
また追記します。