血ガスでアルカレミアでHCO3-もCO2もアルカリの場合の解釈
血ガスでアルカレミアでHCO3-もCO2もアルカリの場合の解釈
例)
pH.7.54 PaCO2 35 HCO3-:29.9 Na 140 CL- 99
ph:アルカレミア
HCO3-が上昇している点では代謝性アルカローシス、PaCO2が低下している点では呼吸性アルカローシスが考えられる。どちらがメインの変化なのかはぱっとわからない。
考え方としては、基準値からの変動率を計算することでどちらが主体か判断できる。
PaCO2の基準値は40なのでPaCO2の変化率は40-35/40 = 5/40である。
一方、
HCO3-の基準値は24なので、HCO3-の変化率は29.9-24/24=5.9/24である
比較するとHCO3-の変化率>PaCO2の変化率となるので主な原因は代謝性アルカローシスと判断することができる。
HCO3-が基準値に比べて5.9上がっているので、本来であればPaCO2は代償的に上昇するはずである。HCO3-が1上がるとPaCO2は0.7程度上昇するはずなので、5.9×0.7=4.1程度上昇してPaCO2は44.1ほどになることが予想される。しかし実際にはPaCO2は35と低下しているので、代謝性アルカローシスに加えて呼吸性アルカローシスもあると判断できる。
この考え方はアシデミアの場合も同様に利用できる。