代謝性アシドーシスの鑑別
代謝性アシドーシスの鑑別
◯アニオンギャップ(AG)上昇の場合
・乳酸アシドーシス
・ケトアシドーシス(糖尿病性、アルコール性、飢餓)
・腎不全・尿毒症(リン酸)
・中毒(サリチル酸、メタノール、エチレングリコールなど)
*乳酸アシドーシスの原因
(低灌流による組織への酸素供給不足)
・ショック(敗血症、心原性、循環血漿量減少、閉塞性)
・組織循環不全(腸管虚血、四肢の虚血、熱傷・外傷、壊死性軟部組織感染症)
・高度な低酸素血症、一酸化中毒
・心肺停止蘇生後
(上記以外の原因)
・薬剤性(サリチル酸、メトホルミン、核酸系逆転写酵素阻害剤など)
・糖尿病性ケトアシドーシス(DMではケトアシと乳酸アシドーシスを合併しうる)
・筋肉の過剰運動(てんかん、けいれん、激しい運動、呼吸筋疲労など)
・中毒(アルコール、コカイン、シアン)
・悪性腫瘍(特に血液疾患)
・肝不全など
◯アニオンギャップ(AG)正常な場合
・下痢(消化液とともにHCO3-が失われる)(←ERでは一番多い原因)
・生理食塩水の大量投与
・アセタゾラミド投与
・尿細管障害
・腎不全(eGFR25%以下程度から出現)
・薬剤(スピロノラクトン、ST合剤、ACE-I、ARB、NSAIDsなど)
・尿路変向術後
・膵液瘻、腫瘻、胆汁瘻
・尿細管性アシドーシス(Ⅰ型Ⅱ型Ⅳ型)