心嚢液貯留が急性か慢性かの判断
⭕心タンポナーデ
・心エコーで心嚢液貯留を中等量以上認める場合は心タンポナーデを鑑別に挙げる
(少量でも急性に貯留した場合はタンポナーデになりうる)
・心タンポナーデになると頸静脈怒張,低血圧,心音減弱(Beckの3徴)がでるのでそれを意識する。また、心拍出量低下により交感神経が活性化されて頻脈になる。
⭕心嚢液貯留が急性か、慢性かの判断
・心嚢液が貯留して心嚢内圧が上昇すると、拡張期の静脈還流が障害されるて心室充満ができなくなり心拍出量の低下と静脈うっ血を生じる。
→心エコーでIVCの拡張および呼吸性変動の消失をチェック。下大静脈の拡大がない場合、タンポナーデの可能性は低い。
・右心系の方が左心系よりも低圧であるので心嚢液貯留の影響を受けやすい。発症初期は右室や右房の拡張早期の虚脱を認めることが多い。心内腔の虚脱は、①収縮早期の右房の虚脱、②拡張早期の右室の虚脱、③収縮早期の左房の虚脱の順に出現する。
→右室は拡張早期に虚脱する(特異度は高いが感度は低い)
→右房は拡張後期〜収縮早期に虚脱する(特異度は低いが感度は高い)