つねぴーblog@内科専攻医

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中枢性めまいはMRIでは除外できないという話

めまい患者の対応でいちばん大事なのは脳血管障害による中枢性めまいなのか、それともBPPVや前庭神経炎などの末梢性めまいなのかの鑑別である。

 

神経診察が最も重要ということは言うまでもないが、眼振含め神経所見が全く異常のない場合はやはり画像検査に頼られてしまう。

頭部CTは脳出血の評価はできるが、急性期脳梗塞の除外は全く出来ないというのは有名な話であるが、MRIはどうであろうか。

 

とある報告(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24920847))によると、頭部MRIは発症48時間以内の脳梗塞において、病巣10mm以上であれば感度92%あるが、病巣10mm以下の小さな小脳梗塞の感度は50%程度しかないとのことである。

 

*MRIの感度ってそんなに低いの?普通ちゃんと光ると思いますが…?と思われる方もいるかも知れないが、MRIの感度は脳梗塞の領域によってずいぶん異なる。内頚動脈から分岐する中大脳動脈領域の脳循環(前方循環系)では発症12時間で感度90%を超えると言われるが、後方循環系(椎骨脳底動脈領域の小脳梗塞や脳幹部梗塞)では発症2日たっても感度は90%以下。特に前述のように10mm以下の脳梗塞であれば感度は50%以下なのでMRIを盲信すると脳梗塞見落としにつながる。

 

よって、「神経所見も陰性だけどめまい症状が持続しているから脳梗塞除外目的に頭部MRI施行します」という考え方は正しくない。MRIで陽性であれば脳梗塞と診断してよいが、発症2日以内の小脳梗塞は全く否定できないと思わなければならない。

 

神経所見が陰性でめまいが続いていて、MRIが陰性の場合は症状の強さそしていつもと同じように歩けるかどうかを見て帰宅させるか入院させるかを判断する。

入院させる場合は神経所見の増悪がないかの観察、そしてめまい症状が改善していかない場合は時間を更に空けてからMRI再検などの必要がある。