呼吸器疾患リスクのせん妄患者に対して気をつけること
Q,抗精神病薬と抗不安薬ではどちらが呼吸抑制をきたしやすいのか?
抗精神病薬はドーパミン、セロトニンの神経伝達を阻害する。
一方、抗不安薬はGABA系の神経伝達を増強し、筋弛緩効果を発揮する。
結果として、呼吸器合併症を保つ場合は抗不安薬のほうが呼吸抑制リスクが大きい。よって、呼吸器リスクがある患者にはハロペリドールを中心に使い、鎮静作用を合わせて検討しないといけないときにはベンゾジアゼピンは避けて鎮静作用を併せ持つ抗精神病薬(コントミン®、ウインタミン®、クエチアピン®)などで検討する。
また、COPD既往にあるような患者においてもベンゾジアゼピン系はCO2ナルコーシスを助長する可能性があるので投与しない。変わりにアタラックスP、ロゼレムなど検討する。もちろんアタラックスは抗コリン作用があってせん妄の助長因子であるので抗精神病薬を併用する。