軽症のせん妄への対応(内服可能な場合)
暴れていたり、内服拒否の状況であればハロペリドール(セレネース®)筋注もしくは静注するしかないが、内服をしてもらえそうな状況であれば内服で対応。
第一選択
◯リスペリドン(リスパダール)
・ハロペリドールの内服よりもパーキンソニズムの副作用も少なくて良い。
・ハロペリドール同様に鎮静作用は少ないが、抗幻覚作用は強い。
・また、液剤があるので嚥下困難でもOKであるし、拒否傾向強い患者でも水に混入して勧められる。
*ただし、注意点としてはリスパダールはハロペリドール同様に催眠作用は弱い。効果がないと思って使いすぎると翌日〜翌々日など時間が立ってから過鎮静になってしまうリスクが有る。
*腎臓排泄であるため、腎機能障害がある場合は半量にする。
*用量は0.25〜2mgから開始する。維持量は0.5〜4mgで4mg以上を用いても効果の上乗せは乏しく、副作用が増えてしまう。
◯クエチアピン(セロクエル)
・初回12.5〜50mgを一日一回寝る前。半減期が短いので夕方・寝る前と分割投与することもある。維持量は12.5〜200mg。
・パーキンソニズムが非常に少なく、鎮静効果があるので興奮を抑えて寝てもらえる。
・せん妄を起こして無くてもせん妄リスクの高い高齢者の睡眠導入剤としてよく使用される(ベンゾジアゼピン系からの切り替えなど)。
・半減期が3時間なので持ち越して翌日ウトウトというリスクが少ない。
・ただし、糖尿病にはDI上、禁忌。
【その他の選択肢】
◯クロルプロマジン(コントミン)5−75mg
鎮静効果は強いが過鎮静になってしまうことも。血圧も下がることあるので要注意。