せん妄起こしそうな患者が入院してきたらするべきこと
せん妄起こしそうな患者が入院してきたらするべきこと
1,せん妄のリスク因子を確認する
・準備因子:高齢者、認知症、脳血管疾患、アルコール多飲歴
・促進因子:入院などの環境変化、心理ストレス、便秘、尿閉、疼痛
・直接因子:身体疾患(炎症、脱水、貧血、電解質異常、低酸素状態)、手術などの侵襲、薬剤
2、内服歴の確認
・原因薬剤:ベンゾジアゼピン、抗コリン薬、ステロイド、H2遮断薬、抗痙攣薬、抗ヒスタミン薬、抗コリン薬など
(せん妄ハイリスク患者では辞められるものはやめる!特にベンゾジアゼピン系は要注意!)
3,脱水・疼痛予防
脱水はせん妄の原因になるため輸液管理を適切に行う。
疼痛もせん妄の原因になるため解熱鎮痛薬などで適切に介入。
4,ルート類の配慮
夜間の点滴や心電図モニターなどもせん妄の原因となる。管理が必要な状況では仕方がないが、必要性がなくなったら外せるものは外す。点滴も24時間持続点滴ではなく、もし可能であれば夜間だけ生食ロックにしておく。
5,睡眠リズムの適切化
昼夜逆転しないように日中の過度の安静を避ける。日中のリハビリなど。
また、夜間眠れないのであればベンゾジアゼピン系以外の眠剤や催眠作用のある抗精神病薬で介入。
☆特に内服薬の確認は重要。
せん妄ハイリスク入院患者に常用薬のベンゾジアゼピン系を漫然と投与することはご法度!例えば超短時間型のゾルピデム(マイスリー)、トリアゾラム(ハルシオン)または抗不安薬のエチゾラム(デパス)などの継続は気をつける。
入院時よりせん妄を起こしていたらベンゾジアゼピン系はやめる。
が、ベンゾジアゼピン系を長期間常用している患者で突然やめると離脱症状が起こる可能性があるので1剤であれば中止、多剤同時内服していたら減量で様子を見る。
また、眠れないのを放置するのも良くないので、催眠作用のある抗精神病薬を考慮(セロクエル、ジプレキサ、コントミンなど)。