止まらないしゃくりへの対応@救急外来
しゃっくりの原因と対応法
【しゃっくりとは】
しゃっくりとは横隔膜の突然のけいれん性収縮によって起こる急激な吸息である。続いて声門が素早く閉じるために肺の過剰な膨張は抑えられる。しゃっくりの起こる正確な機序は不明であることが多いが、求心性神経と脊髄の中枢そして遠心性の神経によって形成される反射弓が関与していると考えられており、中でも迷走神経、迷走神経分枝への刺激が原因となることも多い。
【しゃっくりの分類】
しゃっくりは健常人でも起こるが大多数は自然に収まる。しゃっくりが48時間以上続くと持続性しゃっくり、遅延性しゃっくりなどと呼ばれる。1ヶ月以上続く場合は難治性しゃっくりとも言われる。
【持続性しゃっくりの原因】
器質的疾患(横隔膜や横隔神経を刺激するもの…ex腫瘍、感染病変など)
薬剤性(ベンゾジアゼピン、ステロイド、バルビツール酸など)
医原性(心臓ペスメーカーの電極の位置異常による横隔神経刺激も原因として報告されている)
神経疾患(早期の多発性硬化症、てんかん部分発作による痙攣など)
【検査】
●血液検査:WBCやCRPを調べて感染がないか調べる。また低ナトリウム、低カリウム、低カルシウム、尿毒症など電解質の異常でもしゃっくりが引き起こされうるので注意。
●胸部単純レントゲン:横隔神経や横隔膜を刺激する腫瘤性病変などないか調べる
【治療】
迷走神経への刺激がしゃっくり反射の引き金として考えられている。それ故、迷走神経を抑制する方法が簡便な治療として行われる。
・バルサルバ法
・息こらえをさせる
・綿棒で軟口蓋をこすって咽頭反射を誘発する
これらの方法を用いてもしゃっくりが持続する場合はCaブロッカーのニフェジピンや抗ドーパミン薬のクロルプロマジンが処方される場合もある。
また追記更新します。