細菌尿=尿路感染症ではない
尿沈渣検査で細菌尿を認めるからといって尿路感染症となるわけではない。尿から細菌が検出されるが、特に症状を認めないことを無症候性細菌尿という。
無症候性細菌尿は若い健康的な女子でも5%ほど認められ、特に高齢者では40ー50%が無症候性細菌尿を認める。無症候性細菌尿は尿路感染症のリスク因子ではあるが、症状が何もない時点では抗菌薬治療などは必要ない(無症候性細菌尿に抗菌薬治療をしても尿路感染症になるリスクは変わらない)。
尿路感染症は基本的に除外診断。臨床経過と尿検査や尿沈渣、検鏡などによる所見が尿路感染に合致していて更に他の感染巣が明らかでない時に尿路感染と診断できる。