つねぴーblog@内科専門医

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尿定性検査(白血球、亜硝酸塩陽性)の意義の違い

尿定性における白血球{WBC)陽性と亜硝酸塩陽性の意味

 

尿定性検査

・白血球陽性→白血球のエラスターゼ酵素への反応をみるもの。尿中に白血球が存在する、つまり膿尿であることを示唆するが必ずしも尿路感染症であることを意味しない。

例えば虫垂炎、膵炎、尿路結石などでも偽陽性となる。

 

・亜硝酸塩陽性→亜硝酸塩は細菌が硝酸塩を還元するときに生じ、細菌尿、尿路感染症を示唆する。が、細菌が硝酸塩を還元して亜硝酸にするのに4時間近くかかるので膀胱内に尿が停留する時間が短いと陰性になってしまう。また、亜硝酸を産生するのは腸内細菌であり、他の菌(緑膿菌、ブドウ球菌、腸球菌)などが原因の尿路感染症では偽陰性となってしまう。また、体内に摂取される硝酸塩自体が少ないと必然的に亜硝酸への変換量も少なくなるので偽陰性となる(例えば嘔吐、空腹、中心静脈栄養など)

 

 それぞれ確定診断に用いられるわけではないが、尿路感染症を疑う際の参考として有用である。

 

尿定性試験の尿路感染症に対する感度・特異度(参考:wallach J.Interpretation of Diagnostic Tests.8th)

白血球陽性→感度69%,特異度90%

亜硝酸塩→感度71%、特異度85%