大動脈縮窄症でrib notchingをきたす理由 - つねぴーblog＠内科専門医

【大動脈縮窄症とはどんな病気か】

大動脈縮窄症でrib notchingをきたす理由

大動脈縮窄症とは大動脈が細く狭くなってしまう疾患である。

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イラストは血圧が高くなる原因は？ | しんとこ駅前クリニック｜所沢市の循環器内科・代謝内科・糖尿病より引用

大動脈縮窄症は単純型と心奇形を伴うVSD合併型に分けられる。単純型では狭窄している大動脈よりも下側では血液が届かないので、左室が頑張って圧力を上げることにより何とか下の方まで血液が届くようにしている。その結果心室壁は肥厚し、また狭窄している部分よりも上側では強い圧力をもろに受けるために上半身の血管の圧力は非常に高いものとなる。よって上半身と下半身の血圧の差が非常に大きくなるということが大動脈縮窄症の特徴の１つとして挙げられる。

【rib notching（肋骨の侵食像）とは何か】

大動脈縮窄症では狭窄している部分よりも下側に血液を送るべく側副血行路が発達する。特に肋間動脈が発達して下大動脈にバイパスするので肋骨の下縁が侵食される。

下のイラストがわかりやすい。大動脈が細くなっているために、内胸動脈から下行大動脈に繋がっている肋間動脈が太くなる。肋間動脈は元々肋骨の下縁を走行しているので、これが成長して拡張することにより肋骨が下側から侵食されるのである。なお、側副血行路が発達するまでに時間がかかるのでrib notchingが認められるのは１０歳以降である。また、rib notchingは神経線維腫症など他の疾患でも認められることがあるので注意。

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