偏性嫌気性菌と通性嫌気性菌の違いと覚え方
偏性嫌気性菌と通性嫌気性菌の違いと覚え方
嫌気性菌は文字通り、空気を嫌っている細菌であるが偏性と通性の2種類の細菌に分けることができる。偏性嫌気性菌は酸素が嫌いどころか、酸素があると死んでしまうタイプの嫌気性菌である。これは細胞内で酸化還元反応が行われた際に生じるO2-や過酸化水素などの過酸化物を処理する代謝酵素(カタラーゼやスーパーオキシドジスムターゼ)を持たないため、これらがDNAやタンパク質にダメージを与え、細胞を殺してしまうからである。
一方で酸素があってもなくてもよいという通性嫌気性菌である。酸素が存在すれば好気的呼吸(クエン酸回路、電子伝達系)でエネルギーを産生するが、酸素がなくても解糖系と発酵によってエネルギーを得ることのできるタイプの菌である。
語呂合わせ
偏性嫌気性菌の覚え方:
反省して手をウォッシュしてもボツリヌス発症して爆弾テロ
反省:偏性
ウォッシュ:ウェルシュ菌
ボツリヌス:ボツリヌス菌
発症:破傷風
爆弾テロ:バクテロイデス
通性嫌気性菌の覚え方:
大敗因はプリペイドで赤字、びっくりさせられた。
大:大腸菌
敗:肺炎桿菌
因:インフルエンザ菌
プリ:プロテウス
ペイド:ペスト
赤字:赤痢菌
びっくり:ビブリオ属(コレラ、腸炎ビブリオ)
さ:サルモネラ属(腸チフス、パラチフス)
せられた:セラチア