アスピリン喘息の病態生理
アスピリン喘息(別名:NSAIDs過敏喘息)の病態生理
概要:
アスピリンを始めとしたCOX1阻害作用をもつNSAIDsの服用によって誘発される喘息のこと。好発者としては非アトピー型の難治性喘息患者。症状としては鎮痛薬や感冒薬服用後に、呼吸困難、喘息、咳などの症状が出る。
病態生理:
シクロオキシゲナーゼ(COX)は下の図のようにアラキドン酸からプロスタグランジンやトロンボキサンを合成する酵素であるが、NSAIDsはこの酵素の働きを抑制する。すると、アラキドン酸はロイコトリエン産生経路に傾くことになり、ロイコトリエンの作用で気管の浮腫、平滑筋収縮、好酸球増加などが起こり、その結果喘息として症状が現れるのである。
☆尚、アスピリン喘息の原因はCOX1阻害であることがわかっているのでCOX2選択的阻害剤は安全に使える。また、アスピリン喘息患者でなくとも、喘息発作後にNSAIDsを投与すると病気を引き起こしてしまう可能性があるので要注意!
治療法
喘息発作時と同じ。吸引β2刺激薬が第一選択薬で必要に応じてアミノフィリン投与。