NSAIDSとアセトアミノフェンの違い
箇条書きでまとめ
■NSAIDS(非ステロイド性抗炎症薬)
(アスピリン、インドメタシン→市販で言うロキソニン、バファリンなど)
・適応は中等度~強度の急性の疼痛
・NSAIDSはシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害することにより、抗炎症、抗血小板、解熱鎮痛薬としての役割を果たす。
・COXはアラキドン酸を痛みを引き起こす作用のあるプロスタグランジン(PG)に変換する酵素。
・NSAIDSの副作用として胃の不快感や消化管潰瘍が代表的。
・NSAIDS潰瘍の予防にプロトンポンプ阻害薬やプロスタグランジン、高容量のH2遮断薬を用いる。
・この他、PGは血管を拡張させる働きもあるので、ブロックすることにより腎血流低下→急性腎不全も起こりうる。(出血や脱水時は用いない)
・NSAIDSは子宮収縮作用により早産や流産を引き起こしうるので妊娠可能年齢の女性には推奨されない。
■アセトアミノフェン
(注射:アセリオ、錠剤:カロナール)
・適応は発熱や軽度~中等度の急性の疼痛
・NSAIDSに比べると副作用は比較的少ない
(NSAIDSでは胃腸障害や腎障害がある上に、小児ではライ症候群など重篤な障害を残してしまう危険性もある。)
・アセトアミノフェンの副作用として肝機能障害がある。
(副作用の機序:アセトアミノフェンは一部はシトクロムP450により毒性を持つ活性代謝物になる。これはグルタチオン抱合を受けて排泄されるが、過剰投与でグルタチオンが枯渇して肝臓の生体高分子と結合して肝細胞を障害する。)
・高容量のアセトアミノフェンはアスピリン喘息も起こしうる。
・NSAIDSと違い小児でも使用できるというメリットは大きい。
・1回200-600mg、1日3~4回、1日最大4000mgまで。(2011年までは1日最大1500mgまでだった模様)
簡単にまとめ
NSAIDSは胃潰瘍、腎障害の副作用目立つ。
アセトアミノフェンは副作用少なく使いやすい。乳児にも使える。ただし過剰量で肝障害になるから気をつけましょう。