パーキンソン病の治療メモ書き
パーキンソン病の治療メモ書き
・Lドパで始めるかアゴニストで始めるか
治療開始後何年かするとwearing offの症状が出てくる。
最初からLドパを使用するのではなく、ドパミンアゴニストを使用してから必要に応じてLドパを使った群の方がwearing offの出現頻度は低い。ジスキネジアも同様で、最初からLドパを使わず、ドパミンアゴニストを使ってから必要に応じてLdopaを使ったほうが発生頻度が低かった。このデータを元に、パーキンソン病治療はドパミンアゴニストで開始することが推奨されるに至った。
が、若年者ではジスキネジアが起こりやすいが、70歳を超えるような高齢者ではジスキネジアの発症が少ないため、高齢者では最初からLdopaを使用するべきと言われている。
・いつ始めるか
日常生活でほとんど支障がない場合はしばらく経過観察で良いが、人に見られて気になる症状がある場合は、治療を開始するべき。治療を早くし始めても予後が良くなるとかそういうことはない。が、悪くなることもない。
遅く治療を始めたのではLドパで充分よくなる時期を失う(機会損失)
・最初に使ってみる薬は、次に何を何mg使うのか、いくらまで増量させるか
症状が軽い場合はセレギリン(エフピー5−10mg/day)で試してみる。
エフピーで効果不十分なら若年ならドパミンアゴニストを開始。高齢や認知症がある場合はLdopaを使用。
ドパミンアゴニストの中ではプラミペキソールやロピニロールで治療開始。
プラミペキソールなら朝夕0.125mg、ロピニロールであれば朝夕0.25mgで開始、ゆっくりと維持量にあげる。初期の維持量はプラミペキソールは1日1.5mg、ロピニロールは1日6mgである。これで効果なければプラミ4.5㎎、ロピニ15㎎まであげる。
非麦角系のドパミンアゴニストの副作用で注意すべきは腰折れである。
アゴニストで駄目なら、Ldopaを使っていく。
症状が軽い場合は150mgから、もう少し重い場合は300mgから。最初は食直後の服用から。改善は有るが不十分な場合は600mgまで増量する。
・患者が若くてLdopaやアゴニストを使いたがらない場合は
抗コリン薬(アーテン)を朝2㎎、もしくは塩酸アマンタジンを1日100〜150mgまで使用する。両者を併用しても良い。
・初期の治療の目標
「よくなりました。特に不自由なことはありません」というところを目指す
【治療薬選択のアルゴリズム】
・Ldopa使用量とwearing off・ジスキネジア出現割合
150mg,300mg,600mgでの試験があるが、150,300mgでは治療開始9ヶ月でまた治療前の症状に戻ってしまっている。600mgのみが9ヶ月立っても治療前よりも良い状態を維持。が、逆に600mgと高用量軍がwearing offも字好き稲ジアも有意に高くなっている。
良くしたければ高用量をつかう。だがその分wearing off 、ジスキネジアの副作用も多くなるという諸刃の剣。
追記します…