上部消化管出血らしい所見(下部消化管出血と比べて)
上部消化管出血か下部消化管出血か迷ったら
吐血、下血が主訴の救急患者においてはそれが上部消化管からの出血なのか、下部消化管からの出血なのかの鑑別が重要である。食道静脈瘤破裂や出血性胃潰瘍など上部消化管出血であれば緊急内視鏡で止血しなければ出血が止まらないことが多いのに対して、憩室出血などの下部消化管からの出血であれば保存に見ても自然に止血する事が多いので緊急で下部内視鏡を必要としないことも多い。
上部消化管出血を示唆する所見として次のようなものが知られている
・診察時黒色便を認める:陽性尤度比25
・NGチューブによりコーヒー残渣様の液体:陽性尤度比9.6
・BUN>Cre比率30以上:陽性尤度比7.5
・上部消化管出血の既往:陽性尤度比6.2
・黒色便の病歴::陽性尤度比5.9
・50歳未満:陽性尤度比3.5
・肝硬変:陽性尤度比3.1
・心窩部痛:陽性尤度比2.3
・ワーファリン服用:陽性尤度比2.3
・鉄剤服用:陽性尤度比2.2
・下部消化管出血の既往:陽性尤度比0.17
・便中に凝血塊:陽性尤度比0.05
参考: