つねぴーblog@内科専門医

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外傷で肋骨骨折があれば胸部CTもとっておくべき

外傷で肋骨骨折があれば胸部CTもとっておくべき

 

胸部打撲などの主訴で救急外来を受診されて胸部レントゲン撮影で肋骨骨折を認めた場合、基本的には保存的な治療になる。が、肋骨骨折をするような外傷の場合、胸部レントゲンで気胸が映らなくても実は気胸を起こしているということが度々有る。

胸部レントゲンでは気胸は映らなくても胸部CT撮影で見つかる気胸を潜在性気胸=occult pneumothoraxという。放射線科医が読影しても1,2割しか発見できないという報告もあり胸部レントゲンで気胸を完全に拾い上げるのは非常に難しい。

 

胸部外傷患者全員の胸部CTを取るのは現実的ではないが、肋骨骨折や皮下気腫などがある場合、あるいはやや高エネルギー気味の外傷では積極的に胸部CTを撮影するほうが安全である。もちろん、レントゲンで映らないがCTではわかるoccult pneumothraxを見つけたらすぐに胸腔ドレーンを挿入しないといけないというわけでもない。虚脱率が小さく、呼吸状態が特に問題なければ保存的に外来フォローでよい。