腰背部痛の鑑別memo
鑑別の復習的memoです。
腰背部痛の鑑別リスト
・整形外科系:機械的腰痛、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄、圧迫骨折、脊椎すべり症、馬尾症候群
・腫瘍など:癌の転移、多発性骨髄腫
・感染症:脊椎椎体炎、硬膜外膿瘍、炎症性脊椎炎
・循環器:急性大動脈解離、大動脈瘤破裂、心筋梗塞
・呼吸器:肺塞栓、気胸、胸膜炎
・泌尿器系:尿管結石、腎盂腎炎、腎周囲膿瘍、腎梗塞、異所性妊娠破裂、切迫流産
・消化器系:膵炎、胃十二指腸潰瘍・穿孔、大腸憩室炎
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・整形外科系
機械的腰痛:
→動くと痛みが増強・安静で軽快
→ER受診の腰痛で最も多いのがこれ。レッドフラッグがないかよく確認
→一週間ほどで軽快。NSAIDS処方。ベッド上安静は駄目、できるだけ日常生活送る。
椎間板ヘルニア:
→50歳以下、坐骨神経痛(腰から足へのしびれ・疼痛)、咳や排便時に痛みが増強。
→SLRテスト陽性、MRI。
脊柱管狭窄:
→65歳以上、歩行時に増悪、座位または前屈で改善(上り坂などで前かがみで脊椎が屈曲すると痛みが緩和される)
→腰椎ヘルニアは片側性、狭窄症は両側性のしびれや感覚異常となることが多い
→ロンベルグサイン陽性(脊髄後索が障害されていると位置覚↓となる)、MRI
圧迫骨折:
→骨粗鬆症のリスク(閉経後、ステロイド内服、骨折の既往)
→腰椎レントゲン
脊椎すべり症
→スポーツ活動の多い若年者、腰部から臀部、大腿部後面の疼痛、下肢の放散痛、感覚障害
→レントゲン側面像で椎体の前方すべり
・腫瘍など:
癌の転移
→高齢者、癌の既往歴(特に肺がん、乳がん、前立腺がん)、体重減少、安静時痛
→直腸診、リンパ節腫脹、貧血やCa値のチェック、
多発性骨髄腫
→骨痛、下腿浮腫
→低アルブミン血症、Ca高値、貧血の有無、蛋白電気泳動
炎症性脊椎炎(強直性脊椎炎、反応性関節炎、疥癬性関節炎など)
→安静時腰痛、体を動かすと改善、朝のこわばり
→HLAーB27関連疾患、CRPは陰性のこともえ
・感染症(菌血症→血液播種がある場合)
脊椎椎体炎(化膿性脊椎炎)
→発熱を伴う背部痛の鑑別で腎盂腎炎、急性膵炎と主に椎体炎も見逃さざるべからず
→感染巣からの血行性転移、外傷や脊椎手術からの感染、隣接する軟部組織からの感染
→採血でESRの上昇、CT(血行途絶による骨壊死像)、MRI(検査で一番感度が良い)
→生検で菌の確定
硬膜外膿瘍
→褥瘡や腎周囲の膿瘍が、脊椎(特に胸椎)硬膜まで飛び火
→安静時痛、咳やくしゃみで増悪、発熱悪寒
→MRI
(その他)
・循環器:急性大動脈解離、大動脈瘤破裂、心筋梗塞
・呼吸器:肺塞栓、気胸、胸膜炎
・泌尿器系:尿管結石、腎盂腎炎、腎周囲膿瘍、腎梗塞、異所性妊娠破裂、切迫流産
・消化器系:膵炎、胃十二指腸潰瘍・穿孔、大腸憩室炎
また更新するかもしれません。