つねぴーblog@内科専門医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

移転しました。

VFや脈なしVTにおいてアドレナリン投与を急ぐと予後が悪化するという話

CPA(心肺停止)における心電図波形は4つに分類される。

・心室細動(VF)

・無脈性心室頻拍(pulseless VT)

・無脈静電気活動(PEA)

・心静止(asystole)

 臨床的に大事なのは除細動が必要化どうか。

VFと脈なしVTは除細動必要

PEAとasystoleは除細動必要なし

f:id:tsunepi:20170716092204p:plain

画像参照:http://kangoshi-notebook.com/skill/1235/

 

 

f:id:tsunepi:20170716093139p:plain

 

AHAガイドライン2015では、

・ショックの適応なしの心停止(PEA,asystoke)においてはできるだけ早くアドレナリンを投与したほうが良い

・ショックの適応ありの心停止(VF,脈なしVT)においては2分間のCPRを行った後、アドレナリン投与(以後、3−5分に一度)する

 となっている。

何故、2分間のCPRを行った後投与であり、2分以内に投与してはならないのだろうか?その根拠としては↓の統計解析がある。

Early administration of epinephrine (adrenaline) in patients with cardiac arrest with initial shockable rhythm in hospital: propensity score matched analysis | The BMJ

最初のショックから2分以内にアドレナリン投与を行うと、2分後以降にアドレナリン投与をしたグループに比べて、自己心配再開(オッズ比0.71)も生存率(オッズ比0.70)も脳機能予後(オッズ比0.69)もいずれも悪化したと報告されている。